蝉が嫌い、です。
鳴いているのが、ではなく、辺り構わず死んでいるところが。
ベランダに出たとき、歩いているとき、あの姿を見るとうんざり。
玄関を出てすぐに転がっていた日には、しばらく心がどんより。

そんな嫌いな蝉ですが、先日じーっと観察してしまいました。
夕方、少し涼しくなってきた頃
歩き疲れて、広い境内の木陰で休憩。
辺り一面、ヒグラシの美しい声。
すぐ近くでも聞こえていて木を眺めていたら、
ふと、地面を動くものが。
木に向かって確実に前進していく、その正体はなんと、
穴から出てきた蝉の幼虫でした。
木にたどり着き、今度はまっすぐに上へ上へ。
一度も止まることなく、あっという間に目線の高さを越え、
見上げる首が痛くなるほど上まで。
そして枝へと進み、そんなところ?!というくらい細い枝の先まで行って
歩みを止めました。
よく見えないくらい高かったのと、時間的なことがあり
その後の羽化は残念ながら見れなかったのですが、
何年も土中で過ごして地上に出た途端、あんなに早く動けるなんて。
その生命力に愛おしささえ感じてしまいました。
あまり嫌いだと思わないようにしよう、と思います。

ある日の、鎌倉での出来事でした。